moniqueのブログ

リタイア後の毎日。水彩画、フランス語、ピアノ、ガーデニング

「予想外」ばっかりのノクターン20番

今練習中のショパンノクターン20番(遺作)。まだまだですが、形はできてきました。

 

この段階でアナリーゼや背景リサーチをしてさらに理解を深めるようにしています。先にやると、変な先入観に左右されるので、まず読譜、自分なりに弾いてからにしています。

 

この曲の第一印象は意外とポップだな、でした。また、「インスタ映え」と同じ言い方をすると、「弾き映え」のする曲だと感じました。さらに、8番や15番に比べると、あまり技巧的ではないとも。ノクターンというと身構えていた私には、そのポップさが予想外でした。

 

それもそのはずで、このノクターン1830年、つまりショパンが20歳の時に作曲した曲だったのです。大学生の年齢ですね。

 

しかも、この曲はノクターンと分類されていますが、実はショパンが作曲したときにはノクターンとは意識されていなかったようです。これは予想外です。この曲は、彼のピアノコンチェルト2番のいわば練習用として姉ルドヴィカのために作った曲だったのです。(ルドヴィカもピアニストで彼にピアノの手ほどきをした人ですが、彼の才能はすぐに姉を抜いてしまいました。)

 

とても「ノクターンぽい!」ので後に他の人によってノクターンのカテゴリーに加えられたようです。確かに疑いなく、しかもどちらかと言うと代表的なノクターンの雰囲気の曲。ショパンにはそもそも「ノクターン的」要素があったということでしょうか。

 

この、元となっているピアノコンチェルト2番を聞いてみました。ピアニストは辻井伸行さんで感動的でパワフルな演奏でした。いくつかのフレーズが自分も練習したノクターンのフレーズだった事に、予想外の不思議な「親しみ」を感じました。

https://www.youtube.com/watch?v=jKKfUKbq_fQ&list=RDjKKfUKbq_fQ&start_radio=1



和音分析も自分なりにしてみましたが、noteで分析を提供されている方がいて、とても参考になりました。私のように正式に勉強はしていないけれど、和音の知識を求めている者には、本当に有難いです。

https://note.com/ryosasaki0620/n/ne0c7c441a9ce

 

ほんとに和音って難しくて、ちんぷんかんぷんなことも多いのですが、しつこく分析してたら、少しは慣れてきたかもしれません。

 

分析できても、ちゃっちゃと弾ける訳ではなく、いつもの事ですが、もう少し大きな手が欲しいです。(ゴムゴムの実で、指がビローンと伸びたらいいのに!)ちなみに辻井伸行さんは体格と比べると、とても大きく、力強い手をしておられました。(つい手の大きさに目が行きます。)

 

本当にとても「弾き映え」する曲だなあと思っていたら、案の定、映画「戦場のピアニスト」(The Pianist  2002年 仏独英ポーランド合作)のテーマソングに選ばれていました。まだ見てませんが、カンヌ映画祭最高賞の作品ですし、時間ができたらぜひゆっくり見てみたいです。

 

映画で使われたショパンの曲と言えば、ノクターン2番(これもノクターンの代表という感じの曲ですが)は、「愛情物語」というかなり古いアメリカ映画(1956 The Eddy Duchin Story )のテーマソングです。若い頃、映画の印象が強すぎて、曲そのものに入れないという経験をしました。(私は映像記憶が強い傾向にあるので、たまに困ります)なので、今回、「戦場のピアニスト」を見てなかったのは、ちょっと助かった、とも思いました。

 

いつも感じるのですが、名作、名曲は、CMなど派生的な場面で出会ってしまうのは、あまりよくないかも、と思います。見飽きる、聴き飽きる、先入観を持つ、というのはあまり望ましくないですから。

 

新鮮な気持ちで、また練習、練習っと。