先日のフランス語レッスンの教材はアルベール・カミュの「最初の人間」(Premier homme )という未完の小説の抜粋でした。(彼は自動車事故で衝撃的な死を迎え、その事故現場の泥の中から見つかった原稿を、娘がタイプ打ちして発表したのがこの作品です。)
発表された小説は、彼の子供時代を描いていますが、私が勉強したのは、幼い頃の、祖母の母親に対する酷い仕打ちの場面でした。
アルジェリアに祖母と母と住むカミュ。植民地時代で、フランスの影響を忌み嫌う祖母が、フランス風に髪を短く切ってきた自分の娘(カミュの母)を口汚く罵る。娘はショックで打ちのめされるのでした。彼女は読み書きできず、ただ逆境を耐え忍ぶような女性で、粗末なベッドだけが自分の居場所という生活でした。祖母の情け容赦のなさ、幼いカミュの母親への愛に、短い抜粋ですが、心を打たれました。
カミュは「異邦人」(「きょう、ママンが死んだ」というフレーズで始まる)で有名ですが、この「最初の人間」は自伝的な作品で、これまでなかった傾向の小説なので未完なのが残念な作品です。(未完ながら映画化されています)
カミュの思想と言えば「不条理」です。だからと言って諦めるのでなく、「不条理」な世界をありのままに受け入れて、人生を生き抜く、という考え方だと私は解釈しています。
レッスンのあと、カミュについてリサーチしてみました。そこで見つけた動画の内容を、少しまとめようと思います。
20分ほどの英語の動画です:「カミュの7つの人生訓:不条理の哲学(7 Life Lessons From Albert Camus (Philosophy of Absurdism))」。私たちの生活で活かすことができるように、平易に具体的にまとめています。厳密にはひょっとしたら異論もあるかもしれませんが、あくまでこの動画の作者の解釈ですし、カミュの考え方の理解には私には十分です。
ただ、自分でまとめておいてこう書くのも何ですが、「人生訓」ってすると、微妙に浅い感じになってしまう気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=8Idhb8OVDCM&list=PLyaF_Cld5OnTkpS2qTM0y113m9mobSQxS&index=30
内容のまとめです。(あまりに厳しい用語、内容は変えました。また私の感想もたまに加えています。)
1)自分の人生の意味は自分で見つける。決める。(これ、不条理の哲学だと「人生の意味はない」のですが、その解決のひとつは、「ない」ことの受容、と。だから、「自分の人生は意味がない」と感じて絶望しなくていいのです。自分だけじゃないのですから。)
2)幸福を遠い目標にしない。今を大事に、プロセスを大事にする。(今すぐ幸せになっちゃおう!)
3)無知にならない。正しい情報と知識を持つ人は、他者に害を及ぼさない。(相手に関する理解、知識があれば、とても傷つけるようなことはできない。)
4)「ノー」と言うことを学ぶ。常に他人を喜ばせたいという欲求は考え直す必要がある。(批判的思考は大事だと思います。)
5)自分自身と向き合う時間を持つ。カミュによると、一人の時間を持つことは贅沢で、大事なこと、と。
6)柔軟であること。「曲げられる心は、折れることがない。」これには、人に対する寛容も含まれます。頑固さゆえに大きな間違いを犯すことを防がないと。
7)愛を優先する。カミュは愛は人生における唯一の義務と考えていました。
7つの教訓を自分の人生と照らし合わせると「勇気づけられる」ものもあり、少し「耳が痛い」ものも。
今を大事にしているし、「ノー」も言える(言いすぎてる?(笑))。
でも愛は優先できてないような気がします。
カミュは確かに愛を優先してましたね。だから、一層魅力的です。